- 11月10日
日本の食を世界に広める。株式会社yass川原さん #120の住人
気になる会員さまを紹介する「120の住人」シリーズ
今回は「神戸の食」を冷凍自動販売機を通してお客様に届けておられる、株式会社yass川原さんにお話を伺いました。
〈株式会社yass HP : https://yass-fs.com/〉
120に郵便物を受け取りに来られた際に、会社のことから些細な日常の出来事まで、楽しそうにお話してくださる川原さん。インタビューでは冷凍自動販売機を設置するまでの経緯や現在取り組まれていること、川原さん自身のことまで、教えていただきました!
ーまず、始めに川原さんのお仕事について教えてください。
飲食の小売りですね。
TABE KOBE(食べ神戸)という神戸の食を集めた冷凍自動販売機に、参加して頂くお店を選ぶところから自販機の設置も行ったりしています。
ーTABE KOBEが出来上がるまでの経緯を聞かせてください。
JR三ノ宮駅 東にある焼肉丼 十番で長年働いていたのですが、お仕事をして今から自宅に帰るお母さんが、テイクアウトでお肉だけ買って帰る。そういう流れをずっと見ていて、「うちも焼肉を簡単に家庭で食べれるようにできたらいいね。」という話をもともとしていました。
〈焼肉丼 十番 HP : https://ju-ban.com/〉
コロナの期間で時間もできたので、その話がグッと進んで、じゃあこれをどこで売るんだってなった時に、コロナ渦ででてきた冷凍自動販売機が目に止まりました。そもそも自販機がこんなにあるのは世界的にみても日本だけです。安全だし、お金も取られないし、お客様との信頼関係があって、ちゃんとお金が返ってくる。これは日本の素晴らしいものだなと。
その自販機では、焼肉丼 十番だけじゃなくて神戸の美味しいお店が何個か集まり、それを神戸から全国に発信したり、逆に全国の美味しいものも取り入れたりするものにしたくて。焼肉丼 十番だけでやるんだったらすぐできるんですけど、そこに他のお店も入ってくるとなると中々難しいので、「じゃあ僕が1つ会社を立ち上げます」となりました。
最初は、「そんなん無理じゃない。」てたくさんの人に言われて。
だけど、TABE KOBEを設置した後に常連さんが「とにかく便利で美味しい。焼肉を家でやろうと思ったらお肉を買って色々しないとあかんのがめんどくさいし、娘たちがたまに料理を持って来てくれるけど、本当は温かいものを食べたいと思ってて。スーパーでも買えるっちゃ買えるんだけど、たまにはちょっとした贅沢として食べられるのがすごく嬉しい。」という言葉をもらって、「あぁ自分がやってきたことは間違ってなかったな〜」と思いました。
ー常連さんからの言葉はとても活力になりそうですね。
便利で美味しく簡単に神戸の食を堪能できるTABE KOBEの中の商品を教えてください!
トミーズ魚崎本店前に設置している1号機と、グランド六甲に設置している2号機は、焼肉丼 十番の牛カルビと牛ロースの具、グリル一平さんのデミグラスハンバーグ、トミーズさんのあん食とあんトーストが入っています。
1号機 2号機
11月1日には、ペリ乾ランド二宮店前に3号機がオープンし、11月後半には、神戸珈琲職人前に4号機がオープン予定です!
3号機 4号機
〈住所〉
●2号機:グランド六甲ビル
●3号機:ペリ乾ランド 二宮店
●4号機:神戸珈琲職人
ー出来立てと同じ味を冷凍自販機で販売することは難しいイメージがあるのですが、それはどう超えてこられましたか?
最初、何度やっても上手くいかなかったんです。焼肉にならなかった。再加熱の時点で湯煎しちゃうと、なんか牛丼ぽくなっちゃったり。あの香ばしさとか焼肉感が全然出ないので、完全に諦めようかなって思ったんですけど、企業さんと話してトレーを変えてみたりとか、瞬間冷凍の機械を購入してみたりして。これでいけるねってなるまで2年以上かかりました。今でている商品もどんどんブラッシュアップし、より便利に簡素化されたものを出したい。今でも、商品の改良は続けています。
ーお話を聞いていて、日本の食の部分を大事にされているんだなという印象があるのですが、日本の食を広めたいと思ったきっかけはありますか?
もともと食いしん坊で、子供の頃から色んな食事をする機会がありました。
10代の頃の初めてのアルバイトが飲食関係で、「飲食店、面白いな〜」とボヤッと思ってて。その時の目標が、自分でお店を出すことで、やりたいけどお金がないから、建築関係の事業をしている父親のところに「お店を出したいんだけど・・」と相談したら「じゃあ一旦、会社を手伝え」と。そこから手伝い始めて、僕が23歳のときに色々あり、急に社長になってしまって。接待でお酒を飲みにいったり、ご飯を食べに行ったりして、20代では普通は食べないものを食べる機会がありましたね。美味しいものを食べられる立ち位置にいたような気がします。
40歳の時に、自分のやりたいことをやっていく道を決めるのは、ここが最後だなと思って。ちょうどその時、縁があって、焼肉丼 十番で働く話がきたから、これは流れやなと。建築の会社をたたんで、焼肉丼 十番にいきました。
その時点で、焼肉丼 十番のタレが美味しいっていう評判は既にあって、「このタレを最終的にアメリカまでもっていく」っていうのを夢にしようと。それは今も変わっていません。その夢を実現させるためには、お店に立たないといけなくて、10年間お店にいるうちに「あぁこの夢は叶えられないまま終わっていくのかな〜、でも夢だけはずっと語ってて、みんな応援してくれてるから、バトンタッチしようかな〜」という時に、コロナがきたので、そこで大きく流れが変わって、ここでやるべきやなと思いました。
ー食の道に必然的に導かれていったような感じですね。
コロナがきっかけで色々なことが進んでいったのかなと感じるのですが、コロナ渦中での飲食の新事業を立ち上げることに抵抗はありませんでしたか?
もともとすごく怖がりで慎重な部分もあるけど、人と会って新しいことをすることが好きで。怖さはありますよ、今もありますし。失敗する可能性だってもちろんあるので、ある意味、失敗しても大丈夫なように2つ3つ同時進行してますね。
お店をやっててもそうだし、生きてくうえでも、ちゃんと頑張ってずるいことせんとやってたら誰か助けてくれるな〜とは思いますね。1人でできることなんかしれてるのでね。自分が得意なことをやればいい。と思ってます。
ー実際、様々な方の声を聴きながら様々な方と進めているんだなという印象があります。
本当にそうなんです。人との関わりと縁を大切にしています。
それこそ、2号機を設置する時に、まず僕自身をわかってもらおうと思って、「僕こういうこと考えてます」という話をしていく中で、「今度、川原さんにお会いしてみたいという人がいるんですけど、会っていただけますか〜?」と。その繰り返しなんですよ。
ー「人との関わりと縁」仕事をする上で大切にしていることですか。
あれもこれも全部自分でやって、全部自分で儲けようと思うんじゃなくて、自分が得意なことをやってく。それが日本らしいし自分らしいビジネスの仕方なのかなと思います。みなさんの力を借りて立ち上がり、参加したいという方はいるので、後は、出てくる弊害をつぶしていくことですね。時間はかかるけどいいものができるんじゃないかなと思います。
後、飲食店出身だから、飲食店側に寄り添った形で進めていきたい。お客さんもお店も、皆がウィンウィンになるような社会を目指したい。そういうところを念頭において仕事できたらな〜って思っています。
ー事業として今後どのようなことを考えていますか?
まずは、TABE KOBEの冷凍自動販売機をどんどん全国に広めていって、神戸の食を発信していきたいです。新しい食の形を提案していきたい。
実は、yassとして取り組んでる事業が後2つあるんですけど、
1つ目が、輸出事業です。日本の美味しいものを海外で取引する。今考えている国の1つは、タイです。タイは親日国であり、日本食も評価していただいてて経済的にもすごく登り調子で、できないと言わずに話を聞いてくれるのがタイでした。
2つ目は、日本の美味しいものを製造する工場から、店舗をつくって販売するところまでをベトナムでやりたいです。たまたまそれも縁で、7年前に焼肉丼 十番にベトナム人がアルバイトの応募できました。その彼と話していく中で、ベトナムのこれからの発展とyassとして取り組んでいきたいことは相性が良さそうだと思い、ベトナムに決めました。皆さんに応援していただければ!と思っています。
ー今後どんなパートナーと取り組んでいきたいですか?
日本の素晴らしいものをどう認識していただいて売るかっていうところを一緒にやってくれる人がいましたら、是非やりましょう!
最初は神戸からのスタートですけど、もっともっと仲間を増やして、全国のいろんな方がTABE KOBEに入ってくれたらと思います。
ー最後に、120の利用を始めたきっかけを教えてください!
外観が綺麗だったのと、見に来た時にスタッフの方が良い感じで、おしゃれだし、綺麗だし、僕自身が人と会うスペースにしたいなと。お金を節約するんだったら、自宅で登記して、家賃を経費にするのが一番いいんだろうけど、僕は色んな人と交流して色んな話がしたいのに、自宅の一部を仕事場にしてるようじゃ、誰も見てくれないから、こうやってみなさんが交流するっていう感じがいいなと思いました。僕の中のハードルは全くないので、このインタビューをきっかけにどんどんどんどんみなさんとお話したいなと思っています!
時代の流れとともに、食の形も変わりつつある今だからこそ、新しい食の形として、TABE KOBEの中に入っている商品を購入してみてはいかがでしょうか?1人でも、誰かと一緒でも、神戸の食を手軽に美味しく食べられる経験はかけがえのないもので、自分の暮らしを豊かにしてくれるきっかけになるのではないかと思います。
楽しいことは食に関わらず何でもしたいし、まだこの社会に無いことをやっていきたい。と笑顔で語る川原さん。「人と人が一番傷つくけど、一番癒されるのも人」という言葉がインタビュー中とても印象的でした。温かみと人への愛をもって自分が好きな「食」で多くの人を幸せにしたいという思いが、神戸から全国に広がっていくのを応援しております!