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120 WORKPLACE KOBE

  • 1月16日

IN THA DOOR BREWING 中村 美夏さん

▲創業者の中戸正親さん(左)と中村美夏さん(右)











■IN THA DOOR BREWINGさんについて教えてください。
神戸のクラフトビールの醸造所として、神戸産・国産の素材にこだわりながら私たちにしかつくれないビールをつくっています。美味しいビールをつくるのは当然なんですが、そこにプラスしてIN THA DOORオリジナルの味を出すことを大事にしています。
うちにはレギュラーラインと呼んでいる5種類の定番ビールと、ローカルラインと呼んでいる地元の素材を使用したビールという2つのラインナップがあります。
ローカルラインの方は、地元のお水「神戸ウォーター」と地元のフルーツやハーブを使って、IN THA DOOR BREWINGでしかつくることができないビールを生み出すというところにこだわりを持ってやっています。レギュラーラインの5種類に関しては、素材は海外から輸入した本格的な原料を使って本格的かつクラフトビールらしいスタイルのものをつくっています。こちらもお水は100% 「神戸ウォーター」を使用しています。

■中村さんはどんなお仕事をされていますか?
創業パートナーとして、事業全般のサポートに加え、ラベルデザインなどを担当しています。

■どんな経緯でIN THA DOOR BREWINGを立ち上げることになったのでしょうか?

もともと夫がバーを経営していたのですが、そこに日本のクラフトビールを置きたいと岡山の醸造所の方に相談したところ「神戸でビールをつくったらどうですか?」と言われまして。その一言がきっかけとなり今に至ります。最初は私も会社に勤めながらお手伝いしていたんですが、会社を辞めてIN THA DOOR BREWINGに加わりました。

■ビールづくりで苦労されたことはどんなことですか?
苦労ばかりですよ(笑)

まず 1つ目は、お水の活かし方です。先ほどからお伝えしている通り、神戸の天然水100%でビールをつくっているんですが、このお水は中硬水という少し珍しいお水なんです。そのお水でビールをつくっている醸造所がうちしかないので、そもそもデータがなく。クラフトビールの醸造所では水質を調整することも多いんですが、うちの場合は調整せずにお水に寄せてつくるようにしているので、お水自体を活かしながら麦の味やホップの香りをバランスよく出すことに苦労しました。いろいろ試さなきゃいけないけれど全部を一気に変えることも出来ず、ひとつひとつ地道に試していかなきゃいけないのがとても大変でしたね。

もう一つはローカルラインの方の調整です。うちがお付き合いしている農家さんは小規模な方ばかりなので、その年にとれる量が大きく変わることもあるんですよね。例えば、毎年ぶどうのビールをつくっているんですが、有機栽培されている関係もあってさまざまな自然の要因に左右されやすく、去年は収穫量ががくっと下がったんです。そうなると前より少ない量で作ることになるので、また新たにレシピを作ることになります。材料にも限りがありますし、試せるのは1 回きりなので、毎回そんなプレッシャーとの戦いです。

…と言いながら、私は全然やっていなくて、全部夫がやっているんですけどね(笑)

■今のお仕事をしていて良かったなと感じることはどんなことですか?

一番やっていてよかったなって思うことは、一緒につくっている農家さんがとても喜んでくれることです。

生姜のビールを一緒につくっているビールが大好きな農家さんがいらっしゃるんですが、完成した時に「私のビールができた!」ってすごく喜んでくれて。そう思ってもらえる商品を作ることができるというのはすごく嬉しいなと思います。喜んでくれる姿と商品を愛してくれてる姿が間近で見られるっていうのは最高ですね。

■今回のマルシェは「人と人とのつながり」を大事にしていますが、中村さんはこれからどんな方とつながっていきたいですか?

私自身も人とのつながりをとても大事に考えています。

私たちはビールをつくっていますが、それって自分たちだけじゃできないと思うんです。つくったものを飲んでくれる人がいないと仕事として成り立たないし、そもそも原料を提供してくれる方たちのサポートがないと私たちが目指すIN THA DOOR BREWINGらしいビールをつくることもできない。いろんな方に協力していただいていることをありがたいと思いながら、私たちもビールで恩を返せるようなシンプルな関係性をいろんな方とつないでいきたいです。

■今後の目標はありますか?

今やっていることをこのまま丁寧に続けていきたいと思っているのですが、1つ大きな目標にしていることは醸造所の移転です。年内の移転を予定しているのですが、次は人に遊びに来てもらえるような醸造所にしたいんですよね。見学したいというお声もよくいただくので、次はもう少しオープンな感じにしてビールづくりの体験やイベントなどもできたらいいなと。醸造所が身近に感じてもらえるような場所にしたいなと思っています。
あとは、海外にもうちのビールを届けられたらいいなと考えています。日本でも海外のクラフトビールがたくさん飲めるようになりましたが、小さな神戸の醸造所から、おいしい神戸のフルーツを使ったビールを海外に発信していきたいです。

■どんな方にIN THA DOOR BREWINGさんのビールを届けたいですか?

クラフトビールが好きな人はもちろん、普段ビールをあまり飲まない方や苦手な方にもぜひ飲んでみていただきたいです。
うちはクラフトビールの中でもとてもライトなビールばかり作っていて、度数も大体3〜4%程度なんです。だからあまりビールが好きじゃないっていう方にも、うちのビールは飲めるってよく言ってもらえるんですよね。
種類によって香りや色も全然違うので、個性的なビールの中からお気に入りを見つけてもらえたら嬉しいです。

※当日はお持ち帰り用として、瓶での販売となります。


【神戸のここが好き!】

規模感。めっちゃ都会というわけではないけど、めっちゃ田舎でもなくて、生活しやすいところが気に入っています。

お店がある六甲アイランドも、住民の皆さんがこの街をすごく大事に思っているなと感じられる、とてもいい街です。ぜひ遊びにきてください!