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120 WORKPLACE KOBE

  • 12月27日

シオヤコレクション  澤井 まり さん

■シオヤコレクションさんについて教えてください。

神戸の西の端、海と山に挟まれた小さな町、塩屋の駅前にある古着屋です。2021年にオープンしました。私たちが販売しているのはすべて、寄付していただいた衣類と服飾雑貨。仕入れにお金を使わなくて済む分、地域の福祉活動に資金援助できる、チャリティーショップという、日本ではまだ珍しい業態のお店です。売上の一部は塩屋の『NPO法人GivingTree』と、神戸を拠点に活動する『音遊びの会』に寄付しています。

お店がある塩屋はどんな街ですか?

暮らし始めて10年経ちますが、すごくバランスの良い街だなと思っています。新旧入り乱れていて、人と人の距離が近い。干渉しあわないけど、気にはかけている。そんな空気感があるんですよね。

お店を始める時、塩屋でいろんな方々と関わっているうちに「ここでなら何とかやれるんじゃないか。」と思えたんです。実際に始めてみて、お掃除に来てくれたり洋服のお直しをしてくれる方もいらっしゃって、地域の方々に助けられてここまでやってこられたと実感しています。

■お店を始めたきっかけについても聴かせてください。

私の場合の話ですが、東日本大震災をきっかけに「どうすれば自分の信条を曲げずに生きていけるんだろう。」と考えたんです。そこから自給自足とか、インフラに頼らずに生活してみるとか、色々と試してみていたんですが、その中で 周りの方に支援していただくことが本当に多かったんですよね。「独立する」って言っていたのに、逆に人との繋がりがあって生活できるということが、やってみて身にしみてわかりました。

そこからどうやってお金を稼いでいこうかと悩み、自分に嘘をつかなくてもいい方法を考えた末に辿り着いたのが「チャリティショップ」というあり方でした。私がお客さんとしてよく行っている、新長田(現在は板宿)にあるチャリティーショップ FREEHELPさんの存在もすごく大きかったです。

■これまでを振り返ってみていかがですか?

最初はとにかく大変で余裕がない時期が続きました。自分の服を考える暇もなくて、毎日真っ黒な服を着ていたくらい(笑)でも、だんだんと思い描いていたような形に近づけることが出来てきたと思います。特にチームで進めるようになってから、それぞれの良さが活きてきて、より魅力的なものに変化してきたなぁと。課題はもちろんまだまだありますが、お店に期待してもらっていることは少しずつお応えできているのかなと感じられています。

支援先の方々から「こんな風に使わせてもらったよ。」という報告をいただいたり、一緒に働いている仲間が楽しそうにやってくれていたり、お客様がかわいいを連呼してくださったりすると、お店を続けてきて良かったなと思いますね。

■今後の目標はありますか?

まずは目の前のことを…という思いではありますが、将来的には就労支援や不登校の子どもたちの居場所づくりなどにも貢献出来たらいいなと考えています。体制を整えるためにじっくり準備を進めたいと思います。

また、現在の支援先の方々と一緒にできることについても、もっと考えていきたいと思っています。

当日マルシェに並ぶ商品についても教えてください。

皆さんから寄付していただいた古着をお持ちします。さまざまなアイテムが並ぶので楽しみにお越しください。

また、会場での古着のご寄付も受け付けます。今の時期は 冬物・春物(薄手の長袖・長ズボンなど)のアイテムでお願いします。アクセサリーやバッグ、靴などの服飾雑貨、布などの手芸用品、古タオルのご寄付も募っています。お洗濯済みであればすべてお受け取りしていますのでご遠慮なくお持ちください。

会場にお越しの方へ、メッセージをお願いします。

普通の古着屋に見せかけて、ただお買い物をしていただくだけで社会活動に参加していただくことができます。今回の出店が「チャリティショップ」という文化に触れていただく機会になれたら嬉しいです。

photo by 山下 雄登


STAFF  取材メモ

塩屋で暮らし、繋がりを紡いでいく 澤井さん。「「来年の盆踊りは復活させなあかんね。」とか、お店に関すること以外も皆と考えたりしているんです。街の人たちと日々を重ねていくことが、お店のためにもなっていくと思うんですよね。」と楽しそうに話してくださいました。2月はまるっとお休みだそうですが、暖かくなったら塩屋にも足を運んでみていただけたら嬉しいです。