- 1月16日
丹波ろじべじ 清水 紀光さん
■清水さんのお仕事について教えてください。
2019年11月から「丹波ろじべじ」の代表として、「農家さんが幸せに農業を持続できること」をモットーに、作付指導、販路開拓、六次産業化までを手がける食の総合プロデューサーとして活動しています。
はじめは八百屋からスタートしたのですが、10数年前頃に大阪や神戸から移住してきて新規就農の農家さんが増えてきているなかで「価値を分かってくれるところで作ったものを販売していこう」という流れになり、今のプロデューサーとしての仕事が始まりました。
今は兵庫県の丹波エリアを中心に、阪神間のシェフやパティシエに対する年間の食材サポートを行っています。
■今のお仕事をしていて良かったなと思うことはどんなことですか?
スーパーでは買えないようなものをシェフやパティシエの方に提供することによって更なる価値を生んでもらい、それが一般の消費者の方に届いたときにすごく喜んでもらえることがとても嬉しいですね。
1人より2人、3 人の手に渡っていくことでどんどん価値が上がっていくと思うんです。
そうやって生まれた価値をきちっと農家さんにも返していくような仕組みをもっとたくさん作っていきたいと思っています。
作った商品がどこで出されてるのか、どういう人に食べてもらっているのかって農家さんにはなかなか伝わらないんですよね。僕はそこをしっかりフィードバックするように意識しています。それが農家さんのやりがいや喜びに繋がって、さらに良い物を作っていってもらうような、みんなに喜んでもらえるような仕組みを作っていきたいです。
■そのエネルギーの源はどこにあるのでしょうか?
僕の全ての仕事は「一次産業をどうやって発展させていけるか」というところに繋がっています。
例えば、丹波ろじべじとして甘酒事業を始めたんですが、これも農家さんの六次産業化に繋がっていきます。僕は全ての農家さんが六次産業化していかなければならないと考えているんです。農家さんが生産して商品を作って販売していく仕組みを作っていかないと、出荷だけでは売上が上がらないんですよね。天候の関係で収穫時期も短くなっていますし。だから加工品を作りましょうと。
そう言いながら自分が経験していないことは人に伝えられないので、まずは僕が実際に商品を作って販売の仕組みを作ります、と。販売戦略や作付けなど、1つずつ実践しているところです。
ありがたいことに人に恵まれていて、人手が必要とかこういう人がいないかなと思った時にみんなが紹介してくれたり、サポートしてくれるんですよね。今回のマルシェに出店されるMt.O Japan(オフィス大江山)の岡さんもその一人です。本当に周りの方にすごく助けてもらいながらやっているという感じですね。
■「農業の担い手が減っている」ということはニュースでもよく耳にします。近くで関わっている清水さんは、どのように感じていますか?
兵庫県内でみても担い手は少ないです。だから、なぜ担い手がいないのかということを真剣に捉えてやっていくしかないと思います。
原因としては、なかなか農家の仕事だけでは生活できないというところだと思うんですよね。
だからこそ「農家さん」ではなく「農業」に切り替えて、しっかりビジネスにしていかないといけない。農業として儲かる仕組みをどうやって作っていけるかが課題だと思います。なかなか壮大なテーマなんですけどね。僕はその産業化の流れを身をもって経験しているので、より現実的なサポートができるんじゃないかと思います。
■お仕事をする上で大事にしていることはありますか?
僕はチーム作りを大事にしていて、何件かの農家さんとチームを組んで一緒のものを栽培していきながら加工品を作っています。天候の関係などで収穫量が下がったときに、チームで出荷する仕組みさえあれば、売り上げの利益配分ができるんです。そこにプラスして加工品を作ることで、収穫時期以外にも商品の販売もできます。
それが新しい六次産業化のスタイルかなと思っています。
■当日マルシェに並ぶ商品についても教えてください。
甘酒やいちごバター・ジャムはもちろんのこと、米麹のさつまいもペーストも並ぶ予定です。
但馬の「但」と丹波の「丹」から名前をとった、そのエリアでとれる「但丹さつまいも(たんたんさつまいも)」を使用しています。米麴を使うことによって結構甘みが出ているんです。そのままでもおいしいですが、洋菓子屋さんやパン屋さんにも使っていただけるように商品作りをしているので、アレンジしてもらう楽しさも味わっていただけると思います。
■清水さんはこれからどんな方とつながっていきたいですか?
一次産業を発展させていきたいという、同じ志のある方とつながっていきたいです。
今は僕が全体を通していろんなことに携わっていますが、プロのデザイナーさんや六次産業化プランナーさんと手を組んでしっかりとした仕組みづくりをしていきたいなと思っています。
【丹波の好きなところ】
丹波は兵庫の中心にあって、東西南北どこのエリアにもアクセスしやすいのが魅力です。
丹波生まれということもあってこの場所に愛着もありますし、兵庫・丹波を盛り上げられるように一生懸命仕事に取り組みたいと思っています。