- 1月08日
utsuri 樋口 可奈子さん
◼️お店について教えてください。
2020年より「うつりゆく季節の中で身に纏う」をテーマに、時の流れと共に美しさを増していく天然素材やヴィンテージパーツを使ったアクセサリーを製作しています。パーツを感覚的に組み合わせていくことで肩肘を張りすぎず、現代のシンプルな服装にも取り入れやすいデザインに仕上げています。オンラインショップでの販売をメインに、月に1〜2度はクラフトイベントに出店しています。
◼️お店を始めたきっかけは?
以前アンティーク家具店に勤めていた時にアクセサリー作りが好きになり、その後は10年ほど東京の小さなアクセサリーメーカーで企画職についていました。そこではすぐに流行が生まれて、昔のものは忘れ去られていく…そんなアパレルメーカーにありがちな流れを歯痒く思っていました。一度立ち止まり、自分が心動かされる自然の風景や民藝などの普遍的な美しさを持つものの雰囲気を纏うアクセサリーを作ってみようと思ったのが、utsuri誕生のきっかけです。
◼️商品の写真も素敵です。
商品の撮影を全て自分で行っています。今まではスマホで撮ってたんですが、YONICHIMARUSANの清冨さんにミラーレス一眼について教えてもらったので、今勉強中です。以前アンティークショップに勤めていた経験から古道具やアンティークが好きで、写真に映すものとか出店の時の古道具は、古道具屋さんや蚤の市で買ってコーディネートすることが多いです。
自然が背景になっているものは、旅先で撮影しています。国内旅行が好きで、写真を撮ってはブランドアイコン画像で使用しています。特に印象深いのは岩手の五百羅漢です。
◼️どんな時に楽しさを感じますか?
まず楽しいのは素材選びです。石やビーズなど、美しい色や形、模様に一目惚れした瞬間にワクワクします。もちろん、製作後にお客様がそのアクセサリーを気に入ってくださった瞬間も嬉しいです。
◼️大切にしていることはなんですか?
自分が納得できるものづくりを、ひとつずつ、こつこつ重ねていくことです。目の前の忙しさに流されず、後悔せず満足できるような選択を心がけています。また、製作が行き詰まったときは、神戸のメリケンパークで海を眺めながら気持ちをリセットします。最近では神戸の自然をはじめ、異国情緒あふれる文化や色合いが、自分の作品にも影響を与えていると感じています。
◼️神戸の街にも愛着を持っていらっしゃるんですね。
2023年に関東から神戸に拠点を移したのですが、本当にいい街ですよね。都会的でありながら、ビルの隙間からは山や海が見えて癒されます。地元の方々もとても親切で、1つ尋ねたら倍以上で返ってくるみたいな(笑) すごく居心地がいいです。関東の実家に帰る度に「早く神戸に戻りたいな」と思うくらい、この街が好きです。
◼️今後の目標について聞かせてください。
世界にあふれる美しい素材の魅力を最大限に引き出せるように、様々な技法や技術を身に着けたいと思っています。2025年はまず、ずっとやりたいと思っていた彫金を学びたいです。utsuriでは、ふと目にしたときに自然との繋がりを感じさせ、心に静けさを取り戻してくれるものを目指して製作活動をしていますが、アクセサリーに限らずオブジェのようなものでも良いのではないかと思うことがあります。枠にはまらずに、日々模索していきたいです。