


むすび あわせを たのしむ 
-a-mu 橋本 梨沙さん・和田 美英さん
人や環境にやさしいフェアトレードオーガニックコットンのマクラメ糸をはじめ、パラコードやサテンコードを使ったインテリア雑貨、スマートフォングッズを制作・販売しています。
暮らしの中で、ふと気持ちが上向く。そんなきっかけになるものを届けたいという想いを込めて、一つひとつ手作りしています。
最近では神戸市近郊でワークショップも開催しています。
橋本さん:
お互い二児の母で、子どもが通う児童館で出会いました。ママ友として家族ぐるみで仲良くする中で、コロナ禍に自宅で観葉植物を楽しむため、プラントハンガーを一緒に作り始めたんです。
それが想像以上に楽しくて、気づけば作品がどんどん増えていきました。「これを何か形にできないかな」と思っていた頃、別のママ友からマルシェに誘ってもらい、「a-mu」としての活動が始まりました。
和田さん:
声をかけてもらった時は、まだ屋号も決まっていなくて、本当に大急ぎで準備しました。でも今振り返ると、あの時に「やるか!」と決めて一歩踏み出せたことは、すごく大きかったなと思います。
和田さん:
この1年は「難しいかな」と思うような機会にも、あえて背伸びして申し込んでみたりと、挑戦する場面が多かったですね。結果的にそれが多くの学びをもたらしてくれました。
特にワークショップに力を入れていたのですが、前回のイチニーマルシェで繋がった方からお声がけいただいて、北区にてワークショップを開催しました。まさに、マルシェのテーマである「人とつながる」から始まった2025年だったと思います。
その後も、出店先でのご縁から、無印良品 神戸阪急店でのワークショップやイベント出店へとつながっていきました。
経験を重ねる中で、場や対象年齢に合わせて企画を組み立てる力がついてきた感覚があります。a-muとしての引き出しが増えた1年でしたね。
橋本さん:
それに合わせて、自分たちの中にも少しずつ自信が生まれてきた気がします。
以前は「認めてもらいたい」という気持ちが強かったのですが、今は「伝えたい」という方向に、気持ちが自然と動いてきました。

橋本さん:
すごくリスペクトしています。センスもそうだし、繊細なところも作品にいい影響を与えてくれていると思っています。
自分ひとりだったら石橋を叩きすぎて先に進めないところを、「2人でやってみようよ!」って一緒に進める。お互い、足りない部分を補い合える関係です。
和田さん:
気持ちが落ちている時に、自然と支えてもらうこともありますし、その逆もあります。
人には話さないけれど、二人で共有して乗り越えてきたこともたくさんあって。振り返れば笑えることも含めて、ここまで一緒に歩いてきた心強い存在だなと感じています。
和田さん:
フェアトレード素材のマクラメ糸を使うという部分は、ずっと変わりません。
その上で「違う素材も試してみよう」という気持ちが生まれて、サテンコードのような上品な素材や、アウトドアコードにも挑戦しました。おかげで表現の幅がぐっと広がったと感じています。
橋本さん:
どんな素材を使っても、根っこにある想いは同じです。使ってくれる方の気分が上がるものをお届けすること。
身につけたり、飾ったりすることで、少しでも日常が明るくなるようなものをつくりたい。その気持ちは、これからも変わりません。



和田さん:
ある時、娘がふと「アンパンマンの歌、知ってる?“なんのために生まれて、何をして生きるのか”って歌詞について、学校で考えたんだよね」と話してくれたことがありました。それを聞いた時に「私は、なんのために生まれて、何をして生きたいんだろう?」と、自分自身に問いかけてみたんです。
a-muとして活動を続けてきたこの数年で、少しずつ自信がついて、できることも増えてきました。
これからも、もっと誰かの気持ちがふっと明るくなる瞬間を届けていきたい。そのために、私たちには何ができるのか。じっくり向き合って考えてみたいなと思っています。
橋本さん:
具体的な目標を1つあげるとすれば、ワークショップをする「空間づくり」も含めて、a-muの世界観を届けていきたいですね。
忙しい日常から少し離れて、いつもと違う雰囲気の中に身を置き、リフレッシュして、「またやってみたい」と帰ってきてもらえる時間。これからの一年は、そうした体験を丁寧につくっていきたいです。
今は不思議とモヤモヤがなくて、どこかやりきった感覚があります。でも、チャレンジすることが次のステップにつながることが分かったからこそ、2026年も臆せず新しいチャレンジを見つけていきたいです。