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120 WORKPLACE KOBE

MILLE

産地の技術を、暮らしの心地よさへ。

-株式会社MILLE 太田圭佑さん

“つくる”から“伝える”までを担う繊維問屋、MILLE(ミル)では、日本各地に在る産地の人々と、新たな繊維製品の開発に取り組んでいます。
心地よさを追求した製品を手に取っていただきながら、どういった背景で作られているかをお話できればと思いますので、ぜひお立ち寄りください。

なぜ今のお仕事に?

大学卒業後、新卒で入社した繊維専門商社で、商品企画や営業、生産管理をする仕事をしていました。仕入先である国内外の工場と卸先であるブランドや小売店の間に立ち、それぞれをつなぐ立場だったので、実際に小売の現場でお客様と向き合う機会はほとんどありませんでした。

2021年10月に独立し、自分の会社を立ち上げたのをきっかけに、「つくり手の技術を、暮らしの中でどう活かせるか」を自分の責任で考えたいと思うように。“つくる”から“伝える”までを担う繊維問屋というコンセプトで、卸売や流通支援といった事業に取り組んでいます。

会場であるコワーキングスペース「120 WORKPLACE KOBE」には2021年11月からお世話になっていて、起業当初からの“ホーム”のような場所です。

事業を続ける中で、どんな景色が見えてきましたか?

会社を立ち上げて丸4年、ありがたいことに売上は右肩上がりで、自社製品の数も少しずつ増えています。その中で「小売」に向き合う時間が増えたことは、自分にとって大きな変化でした。

イチニーマルシェも今回で4回目(プチも合わせると5回目)になりますが、「今年も新しい商品が出てないかな」「掘り出しものに出会いたいな」と来てくださる方もみられるようになりました。
そういったお客様がいてくださることは励みになりますし、「どうしてまた来てくださったんですか?」「何が良かったですか?」と直接聞きながら、次の企画につなげられるのも小売ならではの面白さです。

一方で、東京や愛知、京都など、県外の展示会やイベントにも出店するようになり、偶然の出会いから仕事が広がることも増えました。
展示会場で、自身の企画した手ぬぐいタオルを首にかけている方を見つけ、声をかけたことがきっかけで、新しい商品の企画に関わることになったりしたことも。そうした「運」のような巡り合わせも含めて、自分の仕事の世界がどんどん広がっている実感があります。

大切にしていることは何ですか?

いちばん大切にしているのは、「つくる人」と「つかう人」のあいだの橋渡しをすることです。

これまでの生産現場では、仕様書が届き、その通りに生地をつくって納めたらそこで終わり…というケースも少なくありませんでした。
自分たちの生地が、どんなお店で、どんな価格で、どんなふうに喜ばれているのかが見えづらかったんです。

今は、自社商品やコラボ商品について、お客様の反応やレビューをできるだけ工場にフィードバックするようにしています。
例えば愛知県蒲郡市の織物工場と一緒につくったガーゼケット「BLANKED」シリーズには嬉しい口コミが多く、とある販売サイトでのレビュー数は130件以上、評価は4.8と高い支持をいただいています。ギフトに選んでくださったり、使ってよかったからとリピートしてくださる方が増えているのも励みです。
そんな形で僕たちに届いたユーザーの皆さんのお声を具体的に伝えることで、つくり手の誇りや次の改善にもつながると感じています。

商品づくりでは、トレンド先行ではなく、日常で感じる“ちょっとした悩み”を出発点にしています。
例えば今年リリースした「吊り編みTシャツ」もその1つです。首元がよれやすい、透ける、体型を拾ってしまうなど、シンプルなTシャツにも意外と課題は多いもの。この企画ではそんなちょっとしたストレスを解決したかったんです。試作品は自分でも何カ月も着倒して洗濯を繰り返しながら、耐久性や着心地を確かめました。

これからもベーシックで暮らしに馴染むけれど、もう少し上質で、長く付き合える日常着や生活用品。そんな「手が届くけど、ちょっと上質」を、産地の技術で形にしていきたいと思っています。

今後について聞かせてください。

これからは、これまで以上に小売の比重を少しずつ高めていきたいと考えています。
会社全体の売上を考えるとBtoBのお取引が大きな柱であることは変わりませんが、自分の言葉で商品の良さや背景を伝えられる小売の場は、やはり手放したくない大事なフィールドです。

暮らしの中では、すでにタオルやブランケット、キッチンクロスなどの生活雑貨を展開していますが、今後はルームウェアやワンマイルウェアなど、「家でくつろぐ」「ちょっとそこまで出かける」という時間を心地よくする衣料にも力を入れていく予定です。
流行に左右されすぎず、長く愛用できる日常着を、少しずつカテゴリーを広げながら提案していきたいですね。

仕事全体で言えば、「6割は計画、4割は運」だと思っています。
その4割の運を引き寄せるためにも、これからも種まきを続けながら、産地と暮らしをつなぐ企画を増やしていきたいです。

イチニーマルシェも、自分にとっては地元でチャレンジできる大切な場所。1年後、またここで「こんな商品が増えました」「こんな出会いがありました」と報告できるように、事業としての足元を固めつつ、日々のものづくりを積み重ねていきたいと思います。

ご来場いただく方への
メッセージ

来てよかった!と思っていただけるように準備がんばります。
どうぞよろしくお願いいたします!