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120 WORKPLACE KOBE

  • 3月23日

”郷土愛”を生き生きとしたまちづくりに繋ぐ。大江山特許商標事務所 #120の住人 <後編>

 

気になる会員さまを紹介する「120の住人」シリーズ。

今回は大江山特許商標事務所の岡恵さん、アハマともみさんにお話を伺いました。

 

<写真左:所長弁理士 岡恵さん  右:オフィスマネージャー アハマともみさん>

 

2019年11月に全国でも珍しい女性二人のみの特許事務所を設立され、「知財のコンシェルジュ」としてあらゆる問題を解決へと導かれています。

また「知財を活かした地域ブランディング」にも取り組まれており、魅力溢れる地域産業からまちを元気にするため、あらゆる生産者団体さまを弁理士の視点からサポートされています。

 

前編では、”知財”とはどういったものなのか、”地域ブランディング”との結びつきなどについてお聞きしました。

実際にお二人が携わっている地域の魅力的な特産品もご紹介していますので、まだお読みでない方はぜひご覧ください☺️

▷前編はこちら

 

後編では、ふるさと振興に尽くすお二人の思い、特許事務所に留まらない多岐にわたる活動についてお話いただきました。

 

 

 

 

「幅広いコンシェルジュとして、同じ郷土愛を持つ皆様のお役に立てれば

 

◯お二人が地域活性化に真摯に取り組まれている、その熱意はどこから生まれてくるのでしょう?

やっぱり“郷土愛”ですね。自分が生まれたところがすごく好きで、魅力をもっと知ってほしいという気持ちを私自身がずっと持ってきました。きっと地域で活動されている方たちは、同じような郷土愛からきてると思うんですよね。そういった皆様の「うちのいいところをちょっとでも知ってほしい」という気持ちにとても共感します。

 

最近は若い有志の方々が集まって、従来の枠組みに囚われず、新しい面白いことを始めよう!という任意団体のような感じで活動をされている方が増えてきていているように感じます。

何とか地元を元気にしようとエネルギッシュに特産品づくりに取り組まれていますね。

そういった皆様も原点はきっと“郷土愛”なんだと思いますね。

 

 

◯気持ちに共感できるからこそ、力になりたい!との思いで活動されているんですね。

特許庁への出願を中心にした弁理士の仕事は、単発の発注形式が多くて、効率を良くしようとすれば、流れ作業のように仕事をするのが最も効率がいいんです。これに対して、地域の皆さんとかかわりを持ち、一件ずつ地域の資産を発掘するところから取り組むのは、骨が折れ、時間も手間もかかります。

例えば、地域団体商標の登録などでは、短くても2年とか、長いもので5年とか、資料の収集から提出、審査まで非常に時間がかかる例もあります。しかし、とてもやりがいがある仕事です。

 

生産者団体様とのお付き合いの中で、知財にかかわらず、様々なご相談いただくことも増えてきました。私たちの専門領域でないことでも、別の専門家の方におつなぎするなどして、お客様の満足いただけるサービスに努めています。

 

基本、知財のコンシェルジュと言いつつも、幅広いコンシェルジュとして、お客様のお役にたてればとおもっています。

 

 

 

「いろんなことに恐れず飛び込み、その経験があって今の幅広いご相談に力になれる体制ができました!」

 

   

 

◯大江山特許商標事務所さんのインスタグラムで、アフリカ布を使ったバッグを作られているのを拝見しました!

 こちらも地域産業のつながりなんでしょうか? 

地域ブランドに関する活動をしていく中で、“和泉木綿”という泉州の綿織物のメーカーさん(堺市の平山繊維さん)と出会いまして、その方と水墨画のアーティスト様がコラボ作品としてすごく素敵な手ぬぐいを作られたんです。

それに影響をうけて、私たちも物作りをしてしみようかな、と思ったんですね。Mt.O(マウントオー)というプロジェクト名で取り組んでいます。

 

 

    

 

もともと二人とも手作りするのが好きなんです。泉州の布と、アフリカのお友達がいたのでアフリカのものと組み合わせてみようと、アフリカ布で風呂敷を作ってみました。これと、姫路の地場産業である皮革製品の工房、姫路市の革庵さんで作ったレザーハンドルと組み合わせて、風呂敷バッグに仕立てています。ネット販売したり、イベントに出店したりしています。

大きなビジネスにはなっていないですが、ちょっとしたものづくり実験みたいな感じで、サイドプロジェクトです。(笑)

 

実は第二弾が進んでいて、またすごく可愛い布がガーナから入ってきました。

アフリカにも地場産業というのがあります。アフリカ布と呼ばれる綿織物が有名なのですが、最近は中国製の安価なコピー商品とかが多く出回り、地場産業は大きな影響を受けているそうです。

今回、SNSとか色々な手段を使ってなんとか真のガーナ製の綿織物メーカーさんにたどり着きました。本当に大変でした…(笑

 

 

 

◯弁理士さんのお仕事の域を超えた活動をされていますね!

販売とか輸入とか実際に物作りに関わってみて、そういった経験が本業に生かされるのを感じています。

何しても本当に学ぶものがたくさんありますね。

 

2019年11月に開業して相談会や企業訪問を行なっていたんですけど、2020年2月ごろにコロナが広まってしまい、そういった対面での活動が全くできなくなってしまいました。立ち上げ直後で大変ではありましたけど、逆にその期間じっくり考えることができたし、今の体制を整えることができました。

 

お客さんと一緒にどうやって乗り越えていこうかということを考えたり、独立する前には思ってもみなかった業務もどんどん恐れず調べて飛び込んでいったり。学ばせていただきながらやってきて、本当に難しかったところもありましたけど、やってよかったなと思いますね。

 

 

◯その頃の経験があって、特許事務所にとどまらない現在の幅広い窓口となっているんですね。

知財と関係なくなりかけてる、じゃないですけど。(笑)  結局知財って権利を取るだけじゃなくて、それに至るまでの企業活動に連なるあらゆることが知的な資産であり財産で、全部が関わってきています。

「新しくこんなことをしようとおもう」と事業に関する幅広い相談をお聞きすることもありますが、最終的にはそのネーミング大丈夫?とか、もう商標取られてますよとか、不思議と話の着地点はそこ(知財)になります。知財って本当に幅広いところをカバーしているんだなと思いますね。

 

私たちのような小さい事務所の場合何が売りなのというと、お話を聞いてお客様の望んでいることは何なのかしっかり向き合って、お客様の立場で考えていく、そして一緒に話し合いをしているうちに糸口が見つかったり。少しずつですけど、目の前のお客様の喜んでいただける情報ってどんなものかなと考えながら、幅広いコンシェルジュとしてお力になりたいなという思いでいます。

 

 

–––––インタビューを終えて

ビジネスとしてではなく、お二人自身が本当にふるさとが大好きで少しのことでも貢献していきたい、というあたたかな人柄が感じられました。

一見、知財は難しく遠い存在で自分には関係のないもののように考えていましたが、お二人のお話を伺って、

思っていたよりも身近に溢れていると気づかされました。

 

普段何気なく目にするあらゆるものの一つ一つに、作り手の情熱が込められていて、それを権利という形にして守り

価値を生み出す。お二人がされているのは、単なる書面としてではなく、その知財が持つ歴史や未来を含め、

関わるすべての方たちの熱い思いを形に残していくということだと感じました。

これからは何気なく手にするだけではなく、その商品に込められた物語に思いを巡らせてみようと思います。

 

「地域振興のために盛り上げていきたい産業がある!」「農林水産物で新しく始めていきたいことがある!」とお考えの方、ぜひ大江山特許商標事務所さんにご相談してみてはいかがでしょうか?

思いやり溢れるお二人のコンシェルジュが、きっと力になってくれますよ!

 

ありがとうございました。